音楽の正体

エッセイ


音楽の正体

音楽は、私たちを心地よくさせてくれたり、
時には、涙させたり、興奮させたりしてくれます。

でもその音楽の正体は、
ただの空気振動だということを
考えたことがありますか?


耳は、空気の振動を音として捉えます。
その振動に規則性があると、音楽として感じるのです。

ですから、音楽はただの空気振動なんです。

空気振動、すなわち空気の震えや、空気の波が、
音であり、音楽の正体なんです。
もちろん目には見えません。

そもそも空気が見えませんから
その波も、見えません。

海の波のように、目には映りませんが
耳はそれを感じとっているのです。





その空気の波は、1秒間に数十回から、数万回という
こまかな振動です。

でも、その波がもっとゆっくりになったとしたら、
例えば1秒間に1回とか、数秒間に1回とか・・・
そうなると、もう音としては感知できなくなってしまいます。
でも、その空気の波が大きくなれば、
風として感じることができます。


そう考えると、音楽は、風とおんなじなんです。

さて、
風といっても、色んな風がありますよね。
そよ風もあれば、台風もあります。

できれば、穏やかで、心地よい風が嬉しいですよね。

音の波も同じです。
乱暴な音もあれば、心地よい音もあります。

綺麗な空気や優しい風が
目には見えなくても
心地よいように、

空気振動である音楽も、
その存在に気付かないところで
いろんなことを感じさせてくれるのです。

できることなら、
綺麗な空気の中で
やさしい風に吹かれていたい。

できれば、心地よい空気振動
そう、美しい音楽に、くるまれていたいですよね。

寄稿:
伊藤 圭一(いとう けいいち)
サウンドエンジニア&プロデューサー、Kim Studio主宰、(株)ケイ・アイ・エム代表。音を自在に操りヒット作を作り出す「音の魔術師」。斬新なアイディアと先見の明により多くの企業や組織、音楽家を成功に導く、エンタメ界の影の仕掛け人。音響メーカー顧問、洗足学園音楽大学教授、公益財団の理事、著書『歌は録音でキマる! 音の魔術師が明かすボーカル・レコーディングの秘密』

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