音は、空気の振動です。
音楽は、実は空気の震えを聞いているのです。
ですから、空気がないところでは、
音楽は、聞こえないわけです。
ということは、
宇宙空間では、音楽を聞くことはできません。
空気がなければ、全ての音が聞こえないのです。
ですから、宇宙で戦闘シーンがある
スターウォーズのような映画や、宇宙アニメでは、
宇宙船が爆破されたりすると
大きな爆発音が聞こえたりしますが、
あれは、実際には聞こえないのです。
そういった意味では、
『2001年 宇宙の旅』という映画では
そこが正確に描かれています。
空気がない宇宙空間は、すべて無音になっています。
無重力状態もかなり正確に描かれています。
スタンリー・キューブリック監督と
SF作家・アーサー・C・クラークによって
1968年に作られた作品です。
アポロ8号が初めて月の裏側に回った頃で、
まだアポロ11号が月面着陸する前であることを考えると
如何に素晴らしい作品であるか、改めて知らされます。
一方、
映画『レッド・オクトーバーを追え!』では、
高い水圧が掛かった潜水艦の中の様子や、ソナーの音など、
サウンドによって緊張感あふれる作品に仕上がっています。
冷戦末期の1990年に公開され、
アカデミー音響効果賞を受賞しています。
映画は、音を大迫力で楽しめる点も
大きな魅力です。
ご家庭でBlu-rayやDVDで楽しむのも良いですが、
たまには、映画館で迫力のサウンドに浸って下さいね。
寄稿:
伊藤 圭一(いとう けいいち)
サウンドエンジニア&プロデューサー、Kim Studio主宰、(株)ケイ・アイ・エム代表。音を自在に操りヒット作を作り出す「音の魔術師」。斬新なアイディアと先見の明により多くの企業や組織、音楽家を成功に導く、エンタメ界の影の仕掛け人。音響メーカー顧問、洗足学園音楽大学教授、公益財団の理事、著書『歌は録音でキマる! 音の魔術師が明かすボーカル・レコーディングの秘密』