物には、大きさがあり、
広さがあります。高さや奥行きもあります。
音楽にも、大きさがあり、
広がりや、奥行きがあります。
ただ、一般的な物との違いは、
音楽には、
「時間」という要素が、常に存在することなんです。
音楽は音の波で
その波は、時間を止めると止まってしまいます。
つまり、
音楽は、時間の流れと共に、私たちに届くのです。
時間の流れは、誰にも止めることができません。
心地よい時間だけが永遠に続くこともなければ、
嫌な時間を早く切り抜けることもできません。
時間は、誰にも平等で、王道もありません。
とにかく
「音楽は時間軸の上で成り立つ芸術」
だということを知って欲しいのです。
時間が止まると、音楽は止まり、消えてしまいます。
絵画や写真などとは、ここが違います。
絵や写真は、時間を止めることができます。
しかし、音楽は、止めることができないのです。
でも、
そのはかなさが、魅力でもあるのです。
寄稿:
伊藤 圭一(いとう けいいち)
サウンドエンジニア&プロデューサー、Kim Studio主宰、(株)ケイ・アイ・エム代表。音を自在に操りヒット作を作り出す「音の魔術師」。斬新なアイディアと先見の明により多くの企業や組織、音楽家を成功に導く、エンタメ界の影の仕掛け人。音響メーカー顧問、洗足学園音楽大学教授、公益財団の理事、著書『歌は録音でキマる! 音の魔術師が明かすボーカル・レコーディングの秘密』